歯科医師の年収は2026年最新でいくら?勤務医・開業医・院長の実態を徹底比較
歯科医師の年収は平均いくらなのか。厚生労働省の2025年賃金構造基本統計調査を基にした職業情報提供サイト「job tag」では、歯科医師の平均年収は1,062.7万円と公表されています。年収1,000万円を超える水準ですが、この数字だけで歯科医師全体の収入を判断するのは早計です。
勤務医として給与を受け取る歯科医師と、自ら歯科医院を経営する開業医では、収入の仕組みが根本的に異なります。医療法人の院長も、役職や経営への関与によって収入の意味が変わります。2026年時点で参照できる最新の公的統計を整理し、年齢別の傾向、手取りとの違い、開業医の経営実態、地域による差まで詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 平均年収:2025年賃金構造基本統計調査を基にした歯科医師の平均年収は約1,063万円。ただし、開業医の事業所得とは単純比較できない。
- 勤務医・開業医の違い:第25回医療経済実態調査では、医療法人の勤務歯科医師は約646万円、医療法人の院長は約1,458万円。個人開業医は経営上の損益差額で見る必要がある。
- 本当の収入を見る方法:平均年収だけでなく、年齢、勤務先、賞与、経費、税金、借入返済まで分けて考えることが重要。
【2026年最新】歯科医師の平均年収は約1,063万円!厚生労働省の統計を読み解く
歯科医師の平均年収を調べる際、まず確認したいのが厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」です。2025年の調査結果を加工したjob tagの職業別統計では、歯科医師の年収は1,062.7万円、平均年齢は39.6歳、月間の労働時間は161時間とされています。
この年収は、月々の現金給与に12を掛け、年間賞与その他特別給与額を加えて算出する給与ベースの数字です。したがって、月給だけを12倍した金額や、税金を差し引いた手取り額とは異なります。
また、賃金構造基本統計調査は、勤務先から賃金を受け取る労働者の給与水準を把握するための統計です。個人で歯科医院を経営する開業医の事業所得を、そのまま含めた「歯科医師全員の平均年収」ではありません。
ここを誤解すると、開業医の年収を過大評価したり、勤務医の給与を低く見積もったりする原因になります。歯科医師の収入を正しく理解するには、賃金統計と医療機関の経営統計を分けて確認する必要があります。
なお、2026年に年収を調べていても、統計の対象年が2025年とは限りません。公表年、調査対象年、集計対象となる勤務先や職種区分を確認することが、最新データを正しく読む第一歩です。

【勤務医・開業医・院長を比較】歯科医師の給与相場と収入の実態
歯科医師の年収を比較するうえで重要なのが、厚生労働省の「第25回医療経済実態調査」です。2025年に実施され、同年11月に公表されたこの調査では、歯科診療所の経営状況や職種別の給与がまとめられています。
以下は、同調査の公表資料と、賃金構造基本統計調査を基にした主な数値です。調査年や対象、収入の定義が異なるため、すべてを同じ条件の年収として比較しないことが大切です。
| 区分・年齢 | 年収・損益差額の目安 | 数字の意味 |
|---|---|---|
| 歯科医師全体の給与統計 | 約1,063万円 | 2025年賃金構造基本統計調査を基にした平均年収 |
| 個人立歯科診療所の勤務歯科医師 | 約764万円 | 医療経済実態調査における給料・賞与の合計 |
| 医療法人の勤務歯科医師 | 約646万円 | 医療経済実態調査における給料・賞与の合計 |
| 医療法人の歯科診療所院長 | 約1,458万円 | 給料・賞与の合計。院長の経営上の立場は一律ではない |
| 個人立歯科診療所の開設者 | 約1,409万円 | 日本歯科医師会資料の分布分析における平均損益差額 |
| 20~24歳 | 約248万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 25~29歳 | 約563万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 30~34歳 | 約1,183万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 35~39歳 | 約1,215万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 40~44歳 | 約1,352万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 45~49歳 | 約1,283万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 50~54歳 | 約1,135万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 55~59歳 | 約1,151万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 60~64歳 | 約761万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
| 70歳以上 | 約727万円 | 年齢階級別の給与統計による推計年収 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」「第25回医療経済実態調査」、日本歯科医師会の同調査に関する資料。年齢別の金額は月例給与と年間賞与等から算出した推計値。65~69歳は参照した年齢階級別資料で数値が示されていません。個人立歯科診療所の損益差額は、集計方法によって金額が異なります。
この比較で注目したいのは、勤務先の形態や役職によって金額に大きな差があることです。医療法人の勤務歯科医師は約646万円である一方、同じ医療法人の歯科診療所院長は約1,458万円。単純計算では約2.3倍の開きがあります。
ただし、院長には、法人の経営者を兼ねる人もいれば、法人から診療所の運営を任された雇われ院長もいます。調査上の院長という区分だけでは、経営責任や出資の有無まで同一条件にそろえられません。
開業医についても同様です。個人立歯科診療所の約1,409万円は、診療所の収益から費用を差し引いた損益差額の平均であり、給与として支給された年収とは性質が違います。日本歯科医師会資料の詳細収支表では、補助金等を含む集計で約1,562万円という数字も示されています。集計条件が違えば平均額も変わるため、金額だけを切り取った比較には注意が必要です。
つまり、歯科医師の給与相場を把握するには、単に「平均年収はいくらか」と尋ねるのではなく、勤務医なのか、院長なのか、個人で開業しているのかを最初に区別することが欠かせません。
【歯科医師の年齢別年収】30代から高水準になる理由と注意点
歯科医師の年齢別年収を見ると、20代から30代にかけて大きく上昇し、40代前半で高い水準に達する傾向が読み取れます。前掲の2025年賃金構造基本統計調査に基づく推計では、20~24歳が約248万円、25~29歳が約563万円、30~34歳が約1,183万円です。
ただし、この急激な上昇を「誰でも30代になれば年収1,000万円を超える」と解釈するのは適切ではありません。歯科医師になるには、通常6年間の歯学教育を受けて国家試験に合格し、その後、1年以上の臨床研修を経る必要があります。20代前半には研修などキャリア初期の人が含まれるため、年齢階級ごとの平均額に差が生じます。
また、年齢別の統計は、同じ人の年収を長年追跡したものではありません。年齢階級ごとに異なる人たちの給与を集計した結果です。勤め先の規模、勤務形態、経験、役職、賞与などの構成が違うため、年齢だけが収入の差を生んでいるとは限りません。
40~44歳では約1,352万円と高い水準ですが、45~49歳では約1,283万円、50~54歳では約1,135万円に下がっています。この動きも、年齢を重ねれば必ず給与が上がるわけではないことを示しています。役職の変化、勤務時間、働き方の選択、調査対象者の構成など、複数の要因が関係します。
転職やキャリア設計に年齢別年収を利用するなら、平均額だけでなく、求人票に記載された基本給、賞与、歩合給、勤務日数、診療内容、役職の条件まで確認するのが現実的です。年齢別統計は、自分の将来の収入を保証する数字ではなく、キャリアの大まかな水準をつかむための参考資料と考えましょう。

【歯科医師の手取り】年収1,063万円なら実際にいくら残る?
歯科医師の年収を考える際には、額面年収と手取りを区別する必要があります。額面年収は税金や社会保険料を差し引く前の収入であり、手取りはそれらを控除した後に実際に受け取る金額です。
給与所得者として額面年収が約1,063万円の場合、扶養状況や加入する健康保険、年齢、各種控除などによって異なりますが、手取りは年間750万~800万円程度が一つの概算目安になります。月平均に直すと約62万~67万円ですが、実際には賞与の支給時期などによって月々の入金額は変わります。
これはあくまで給与収入を前提とした試算です。個人開業医の損益差額に、そのまま同じ手取り率を当てはめることはできません。
開業医の場合、診療所の収益から人件費、歯科材料費、歯科技工の委託費、家賃、設備費などを差し引いた後に損益差額が生じます。さらに、所得税や住民税、社会保険料、設備投資のための借入返済などを考慮する必要があります。
特に注意したいのが、設備投資の借入金です。元本返済は会計上の経費と同じ扱いではないため、帳簿上は利益が出ていても、返済後に自由に使える現金が少なくなることがあります。診療所の損益差額を、院長がそのまま自由に使えるお金と捉えるのは危険です。
医療法人の院長についても、給与・賞与として受け取る金額と、法人に残る利益は分けて考えます。法人全体の売上や利益が大きいからといって、院長個人の手取りが同じ割合で増えるとは限りません。
【歯科医師の年収が低い理由】開業すれば高収入という常識は本当か
歯科医師は専門資格を必要とする職業ですが、資格を持っていること自体が高収入を保証するわけではありません。勤務医であれば給与体系や診療実績、役職などが収入を左右し、開業医であれば患者数、診療内容、経営コスト、地域の競争環境などが大きく影響します。
まず、歯科医院の経営には継続的な支出があります。歯科医師や歯科衛生士などの人件費に加え、歯科材料費、歯科技工の委託費、医療機器の維持管理費、設備更新費用などが必要です。患者数や診療収入が増えても、支出の増加がそれを上回れば利益は伸びません。
厚生労働省の第25回医療経済実態調査を基にした日本歯科医師会の資料では、個人立歯科診療所について、令和6年度の医業収益は前年度比1.9%増だった一方、医業・介護費用は2.4%増でした。また、給与費は4.5%増加し、技工委託費も5.9%増加しています。収益が増えても、費用の上昇が利益を圧迫する構図がうかがえます。
もう一つ見逃せないのが、平均値と実際の分布の違いです。日本歯科医師会の資料では、個人立歯科診療所の損益差額が1,000万円未満の施設は48.7%を占め、最も多い階級は500万~750万円でした。平均損益差額が約1,409万円であっても、それに近い金額を得ている医院ばかりではありません。
この差は、一部の高い損益差額を持つ診療所が平均値を押し上げることによって生まれます。平均年収だけを見て開業後の生活水準を想定すると、現実とのギャップが大きくなる可能性があります。
では、歯科医師の年収を上げるには何が重要なのでしょうか。勤務医であれば、専門性や診療技術を磨くことに加え、歩合給の算定基準、昇給制度、管理職への昇進条件を確認することが大切です。開業を目指すなら、売上予測だけでなく、人件費や材料費、設備投資、借入返済を含めた資金計画が欠かせません。
訪問歯科診療など、地域のニーズに応じた診療分野を検討することも選択肢の一つです。ただし、どの診療分野でも収入が自動的に増えるわけではありません。地域の患者需要や必要な人員、設備、運営コストを確認したうえで判断する必要があります。

【歯科医師の年収を都道府県別に比較】地域差と求人の見極め方
歯科医師の年収は、都道府県や勤務先の所在地によっても異なります。地域ごとの給与水準に加え、医院の規模、患者層、診療内容、求人の需給状況などが影響するためです。
参考として、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査を基にした都道府県別の再集計では、東京都が約1,243万円、鹿児島県が約933万円とされ、約310万円の差が示されています。これは2024年の調査データに基づく例であり、2025年調査の全国平均約1,063万円と同じ条件の数値として扱うべきではありません。
地域別の年収ランキングを見る際には、調査年をそろえるだけでなく、集計対象者の人数や年齢構成、勤務先の規模にも目を向けましょう。平均値の差が、そのまま同じ経験や診療能力を持つ歯科医師の給与差を表すとは限りません。
また、都市部では歯科医院が多く、患者獲得の競争が厳しくなる地域もあります。一方、地方では採用難や地域医療の担い手不足が求人条件に影響する場合があります。ただし、地域だけを理由に給与の高低を決めつけることはできません。
実際の転職で確認したいのは、求人票の年収上限だけではありません。基本給と歩合給の内訳、最低保証額、賞与の有無、試用期間中の待遇、勤務時間、休日、社会保険、担当する診療内容などを合わせて比較することが重要です。
特に「年収1,200万円以上可能」といった求人では、その金額が固定給なのか、一定の売上や患者数を達成した場合の想定年収なのかを確認しましょう。提示される上限額と、実際に支給される標準的な給与は別物です。
【歯科医師年収】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:歯科医師の平均年収は1,000万円を超えていますか?
A1:はい。2025年賃金構造基本統計調査を基にした厚生労働省のjob tagでは、平均年収は約1,063万円です。ただし、これは給与統計上の平均であり、個人開業医の事業所得を含めた全歯科医師の平均と同じではありません。
Q2:勤務医と開業医では、どちらの年収が高いですか?
A2:開業医は高い損益差額を得る可能性がある一方、経営リスクや設備投資、借入返済などを負担します。勤務医は給与・賞与を中心とした収入で、開業医とは収入の定義が異なります。単純な金額比較ではなく、経費や手取りまで含めて判断する必要があります。
Q3:歯科医師は何歳から年収1,000万円を超えますか?
A3:2025年賃金構造基本統計調査に基づく年齢別の推計では、30~34歳の平均年収は約1,183万円です。ただし、これは年齢階級別の平均であり、30代になれば誰でも年収1,000万円に到達するという意味ではありません。
Q4:歯科医師の年収1,000万円の手取りはいくらですか?
A4:給与所得者の場合、扶養状況や社会保険料、控除などによって変わりますが、年間の手取りはおおむね700万円台から800万円前後が目安です。個人開業医の場合は、事業所得の計算や借入返済などが異なるため、給与所得者と同じ割合では算出できません。
まとめ:【プロの結論】歯科医師の年収は平均額より収入構造で判断する
2026年時点で参照できる2025年賃金構造基本統計調査によると、歯科医師の平均年収は約1,063万円です。ただし、勤務医、医療法人の院長、個人開業医では収入の仕組みが違います。数字を正しく読むには、調査対象と収入の定義を理解することが欠かせません。
勤務医は給与や賞与、昇給制度、歩合給などを確認し、開業医は医業収益だけでなく、経費や損益差額、税金、借入返済後の資金まで把握する必要があります。年齢別や都道府県別の平均値は参考になりますが、それだけで将来の収入を予測することはできません。
転職を考えている人は、求人票の年収上限ではなく、固定給と変動給の内訳、実際の勤務条件、昇給の仕組みを比較しましょう。開業を検討している人は、売上予測だけでなく、患者数の見込みや設備費、人件費、運転資金を含めた経営計画を立てることが重要です。
歯科医師の年収を判断するうえで、本当に見るべきなのは平均額の高さだけではありません。安定して得られる収入はいくらか、支出を差し引いていくら残るか、将来も継続できる働き方か。この3点を押さえることが、歯科医師としてのキャリアや収入を考えるうえで、最も実用的な判断基準になります。 (出典: 歯科 医師 年収(Yahoo!ニュース))